内容
インターネット上のビジネスに欠かせないP2P(ピア・ツー・ピア)技術。その可能性を開拓した「Winny」の開発者・金子勇は、2004年、「著作権法違反幇助」の疑いで逮捕・起訴され、無罪判決が確定するまでに7年半もの年月がかかりました。 本書は、「Winny事件」弁護団の事務局長を務めた壇俊光氏が自身のブログを元に小説としてまとめたものです。日本のインターネット技術の発展に負の影響を残したと言われる裁判の経緯を追いながら、壇弁護士が見た金子氏の人物像、Winnyの核心を語ります。 推薦文は、2ちゃんねる開設者・ひろゆき氏から寄せられました。 【目次】 プロローグ 第1章 捜査弁護 第2章 起訴から公判まで 第3章 1審弁護―前哨戦 第4章 1審弁護―警察証人尋問 第5章 1審弁護―技術立証 第6章 1審弁護―被告人質問 第7章 地裁判決 第8章 控訴審 第9章 高裁判決 第10章 最高裁決定 エピローグ 付録 Winnyをより深く知るための基礎知識
一連の年表
日付 | 事柄 | 金子氏 | 私 |
---|---|---|---|
1999年8月 | Napster登場 | 28歳 | 中3 |
2001年5月 | WinMX公開 | 30歳 | 高2 |
2002年5月 | Winny公開 | 31歳 | 高3 |
2003年11月27日 | 金子氏逮捕 | 32歳 | 浪人生 |
2006年12月13日 | 地裁判決 有罪判決 150万罰金 | 35歳 | 大3 |
2009年10月8日 | 高裁判決 無罪判決 | 38歳 | 社会人2年目 |
2011年12月20日 | 上告棄却 | 40歳 | 社会人4年目 |
2013年7月6日 | 心筋梗塞で死去 | 42歳 | 社会人6年目 |
感想
Naspter〜WinMX〜Winny〜Shareとお世話になってきた私にとってはとても複雑な感情になる事件だ。
ニュースを片隅で聞いていたぐらいで、この本を読んで事件の全貌、金子氏の事を改めて認識しました。
年表にも書いたように若かった私は、リアルタイムではソフトは使っていた物の、開発者の事や事件については無関心、他人事と捉えていたのかもしれない。
P2Pという技術は本当にすごい技術だと思うし、P2Pを使っているSkypeは今でも私自身使っている。 日本の警察、司法は技術への理解力に乏しく、今でもCoinhive事件やアラートループ事件などお門違いな逮捕がある状況です。
ちなみに本書でも触れられますが、インターネットの父村井純や2ちゃんねる管理人のひろゆきなども金子氏の無罪の為に、協力をしています。
金子氏は本当にプログラム馬鹿で、保釈後もプログラムをいくつか公開しており、公開前に弁護士のチェックが入るのが苦痛だったとされています。
この本を読むべき人
当時の2ちゃんねるの同じスレを見てた人や、P2Pの技術を追っていた人、Winnyを使っていた人など、当時と繋がりがある人は一読して貰いたい。